鉛筆デッサンは、鉛筆とスケッチブックと消しゴムがあれば簡単に始められますが、本格的な描き込みをしようと思うと最低限必須の道具や、画材が必要になってきます。
そのため、鉛筆デッサンを始める前に必要な道具の種類や、どういった使用方法があるのか、またあったら便利な画材などご紹介したいと思います。
これからデッサンを始める方、またデッサンを始めて道具の種類が気になる方は、よかったら参考にしてみてくださいね。
鉛筆デッサンで使う最低限必要な道具の解説
鉛筆デッサンで必要な道具はどこで買う?
鉛筆デッサンで最低限必要な道具は、世界堂や文房堂、ユザワヤ、ロフトや東急ハンズなどの画材店や、文房具店などで購入できます。(購入したい商品を取り扱っているか、事前に販売店にお問い合わせください。)
また、美術学校の予備校内に入っている画材屋さんは、かなり品揃えが豊富で、美大受験対策用のデッサンセットなども販売されています。(すいどーばた美術学院の画材あ〜る、御茶ノ水美術学院のTools など)
私も浪人時代は、どばた(すいどーばた美術学院)にお世話になっていました…。
近くに画材屋や文具屋がない場合や、デッサン用品を取り扱ってない場合は、Amazonや楽天市場などのオンラインのネットショップでも購入可能です。
下記に最低限デッサンに必要な道具を一覧にまとめました。(リスト内の各項目のリンククリックすると詳しい解説にジャンプします。)
鉛筆デッサンの道具を入れるケース
デッサンで使う鉛筆は、様々な濃さの鉛筆を使用するため、鉛筆やねりけしなどを入れておくデッサン用具用のツールボックスがあると便利です。
100円ショップのものでも、十分使えますが、鉛筆やねりけしを持ち運び用にも収納するには、仕切り板のついたクリアケースがおすすめです。
鉛筆
デッサン用の鉛筆としてよく使われている種類は、
- 三菱鉛筆ハイユニ
- 三菱鉛筆ユニ
- ステッドラー マルス ルモグラフ
です。ステッドラーやハイユニはプロも使用する高級な鉛筆で、ステッドラーは折れにくく、均一な線が描けます。
ハイユニはなめらかなで描きやすくおすすめですが、ステッドラーとハイユニは1本100円以上するので、習作用ではユニがおすすめです。
鉛筆の硬度(濃さ、硬さ)は22種類あり、10B〜10Hまでありますが、鉛筆デッサンで使用するのは4B〜4Hくらいです。
初心者の方でしたら、2H、HB、2Bの3種類くらいから揃えてみてください。
慣れてくると、各々の描くデッサンの特徴が出てきます。
淡い階調の絵は硬めのH〜4H、濃い階調の絵は4B〜HBなどといったように、ご自身の描くデッサンの階調の方向性がわかってきたら、徐々に揃えていくとよいかと思います。
画用紙
デッサン用の画用紙は、入試用などでよく使用されているのは
- サンフラワーM画用紙
- TMKポスター紙
- KMKケント紙
などです。
初心者の方におすすめなサンフラワーM画用紙は、スケッチブックにもよく使用されている紙で、ほどよいザラつきが鉛筆のノリや発色を良く表現できます。
画材屋や文具店などでバラ売りで購入することができます。
カルトンや木製パネル
デッサンはスケッチブックを使用する他、一枚ずつカルトンにクリップで固定して、イーゼルやテーブルに立てかけて描く方法が一般的です。
机の上に画用紙を置いて描くと、モチーフとデッサンを見比べたときにパースがズレてしまったり、目線を余計に動かさないとといけなくなってしまうために、デッサンが狂ってしまうことがあります。
通常のデッサンは、カルトンと呼ばれる厚紙を重ねた板クリップで留めたり、木製パネルに水張りをして描きます。
カルトンは間に作品を挟んでおけるため、作品の画用紙が折れずに保管できます。
描く紙のサイズが大きかったり、予算でカルトンが入手できない場合は、ホームセンターでベニヤ板で代用もできます。
ミューズのフェザーカルトンという種類が、とても軽くて持ち運びが楽です。
目玉クリップ
カルトンや木製パネルに画用紙を止めるクリップです。画鋲などで固定するよりも、四隅を描く時に簡単に取りはずしできるのでおすすめです。
50円くらいで画材屋や文具屋、100円ショップなどで販売しています。
鉛筆削り用のカッター
デッサン用の鉛筆削りにはカッターを使用します。鉛筆の先を細くするには、軸の太いカッターよりも通常の細めのカッターがおすすめです。
鉛筆削りを使用してはいけない理由は、下記の記事に書いてますが、デッサン用に削る鉛筆は、芯の部分を長く削らないと描きにくいためです。
デッサン用に芯が長く削り出せるデッサン用の鉛筆削りも販売されています。
ねりけし・消しゴム
ねりけしは描き間違えたところを消すだけではなく、光の部分を描くために鉛筆の調子を整えたり、エッジを出したり、白い所を表現したりと、ねりけしの使い方で様々な表現が出来るようになります。
通常の硬い消しゴムは、鋭い光を表現したい場合や、強く消したい部分にイレギュラーで使用します。
ぼかし用のティッシュやガーゼ
鉛筆で描いた部分は、粒子が粗いので、ガーゼやティッシュなどで擦って黒に深みを出します。
より繊細な表現にするには、質感がなめらかなティッシュを使用するとふわっとしたきれいなぼかしを作ることができます。
鉛筆デッサンで使うあったら便利な道具の解説
上記で紹介した画材でも十分デッサンを描くことができますが、より完成度を高めるために、あると便利なデッサン道具の一覧をご紹介します。
鉛筆用の補助軸
鉛筆は短くなってくるとカッターでは削りづらくなり、また持ちにくくて描くのが大変になってきます。
なので、鉛筆用の補助軸を使用することで、最後まで鉛筆を無駄にせず快適に使用することができます。
ホルダー型消しゴム・砂消し
消しゴムを使いこなすことで、よりデッサンの精度が高まります。
おすすめはホルダー型消しゴムで、鉛筆と同じように持って使えるので、細かい部分を抜いたり、エッジの聞いた白い線を出したいときなどに便利です。
砂消しは消しゴムだけでは消しきれない鉛筆で描いた部分を消すときや、黒と白を際立たせたい部分などに使用します。
デスケル
デッサンスケールの略で、石膏デッサンや、人物、静物デッサンなど構図を決める時に、比率などをはかるのに便利です。
モチーフが大きすぎたり、小さすぎたり、全体のバランスが上手く取れない、という時、デスケルでしっかり計測してから構図を決めると後から修正することがなくなります。
私が学生の頃は木炭デッサンが主だったので、木炭紙判のデスケルを持ってました。
紙やキャンバスの規格によってデスケルの比率が変わりますので、主に使用する紙の大きさに合わせて購入すると良いです。(下記のリンクはB判の比率のデスケルです。)
鉛筆の芯や擦筆を尖らせるヤスリ
鉛筆の芯の先を尖らせるためにカッターを使うととどうしても、力が入りすぎて折れてしまうことが多いので、ある程度ヤスリで削ると尖ったまま描き進めることができます。
また、擦筆(さっぴつ)の先が黒くなってきたら、ヤスリで削って整えて使用できます。
普通にホームセンターなどで販売されている紙やすりでも使用できますが、デッサン用に板に留めてあり持ちやすいヤスリが画材店で販売されています。
擦筆(さっぴつ)
ティッシュでは対応できない、繊細な部分をぼかしたい場合などは擦筆を使います。
やわらかめのタイプと硬めのタイプがありますが、鉛筆デッサンでは、やわらかめの方がおすすめです。
フィキサチーフ
最後に画用紙に描いた鉛筆が落ちないように定着する定着液のスプレーです。
大事な作品には必ずフィキサチーフを吹きかけて、作品を保護して保管します。画材屋さんには、パステル画や木炭用の定着力が強力なものなど、様々な種類のフィキサチーフが販売されていますが、木炭・鉛筆画用のフィキサチーフを使用します。
ブラシ
デッサンの用紙は、手で擦ったり触れたりすることで、手の皮脂が付着し、色が変色したり、鉛筆の乗りが悪くなってしまうことがあります。
そのため、消しゴムのカスや、鉛筆の粉などをはらいたい場合は、羽ぼうきやブラシを使用してはらうようにしましょう。
私は油絵科でしたが、画用紙を手でこすってる人けっこういたような、、^^;(汗)ティッシュでも代用できそうですね。
はかり棒
モチーフの長さの比率をはかったり、パースや傾斜の角度をはかったりするのに使用します。
自転車のタイヤの部品のスポークが使い勝手が良く、使用されることが多いです。画材屋さんでも販売しています。
カルトンバッグや画用紙の収納ケース
絵画教室への往復など持ち運びの際にカルトンを入れるバッグや画用紙を入れる収納ケースがあると便利です。
イーゼル
家で絵を描く時は、机にカルトンを立てかけて膝に置いて描く方法もありますが、離れて見る時に壁に立てかけるのがちょっと面倒かもしれません。
イーゼルが一台あるとデッサンがスムーズにはかどります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
鉛筆デッサンは紙と鉛筆と消しゴムがあればすぐに始めることができますが、早く上達するためには、色々な道具を使うと、制作がはかどります。
最初は一気に全部そろえるのは難しい場合は、必要に応じて購入するか検討してみてください。
みなさんの楽しいデッサンライフを応援しています!