鉛筆デッサンは、まずカッターで鉛筆を削ることから始めますが、デッサン用にカッターで鉛筆をうまく削るのには力の入れ方などが重要です。
カッターの扱い方や、削り方のコツがつかめず、せっかく買ったばかりの鉛筆が、最速で短くなっていくという経験をされる方も多いかと思います。
私も画学生時代は鉛筆削りが下手で、1日に何本も鉛筆を折ってました・・・^^;
カッターで鉛筆がうまく削れない理由は、
- 削る時に力が入りすぎてしまっている
- カッターの刃の切れ味が悪くなっている
- カッターの刃の当て方
- 鉛筆とカッターの持ち方
などが考えられます。
最近は、デッサン用の鉛筆削り器も登場し、大人気の製品となっていますが、カッターを使い続ける意味あるの?と思われるかもしれません。
しかしカッターを使いこなせるようになって、自在に鉛筆が削れるようになれば、デッサンのクオリティも上達しますし、描きたい表現が出来るようになります。
今回はデッサンの鉛筆の削り方について、くわしく解説していきますので、この機会にデッサン用の鉛筆削りをマスターしていってくださいね!
デッサン用の鉛筆の削り方を解説
デッサンを始める前に、使用する鉛筆をカッターで削りしっかり尖らせておくことで、スムーズにデッサンの制作を進めていくことができます。
鉛筆には「硬度」といって、芯の濃さや硬さによって濃度や描き味が変わってきます。デッサン用の鉛筆でも使用することの多い三菱鉛筆(Uni)では、硬度は10B〜B、HB、F、H〜10Hの22種類あります。
Hは【Hard(硬い)】、Bは【Black(黒:濃い)】、Fは【Firm(しっかり)】の略となっています。(三菱鉛筆HPより)
Hの硬い鉛筆ほど芯が固く、F、HBは中間の硬さ、Bに行くほど濃くなり、芯はやわらかくなります。
ですので、鉛筆の硬さの種類によって、鉛筆を削る力の入れ方を替えていくことでうまく削ることができます。
鉛筆削り初心者でも、簡単に尖らせるには芯を削る時に力を入れすぎないこと
デッサン用の鉛筆は、だいたい4B〜4Hくらいを2、3本ずつ用意しておけば十分です。
デッサンの個人個人の特徴によって、濃い色をよく使う場合は、3B以上を沢山用意したり、また淡いトーンのデッサンの場合は、2H以上を多めに用意しておくと良いかと思います。
管理人のおすすめは、三菱鉛筆のハイユニの2B、HBあたりが描きやすくて好きです。
用意するもの
- 鉛筆(4B〜4Hくらい)
- カッター
- 削りカス入れ
1.削りカス入れを用意する
鉛筆を削ると、細かいカスが出るので、削りカスを入れる袋や、チラシなどで小箱を作っておくとゴミ入れに便利です。
2.カッターの刃を折る
使用するカッターは、細身のタイプが持ちやすくて削りやすいのでおすすめです。
カッターの刃の切れ味が悪くなっていると、削るのに余計な力を入れてしまうため、けがや鉛筆の芯が折れてしまう原因になってしまいます。
カッターの刃がサビついていたり、ずっと刃を折っていないという場合は、折ってから削るようにしてください。
カッターの替刃のケースに、安全に刃を折ることが出来る折れ刃入れがついてますので、安全に折って怪我しないように気をつけてください。
2.鉛筆の角を順番に回しながら削っていく
まず、利き手でカッターを持ち、反対の手で鉛筆をグーで握るように持ちます。
そして鉛筆を持っている手で、カッターに親指を添えて、少し力をいれて押しながら削っていきます。
新しい鉛筆の場合は、角の部分から均等に回しながら、カッターの刃の角度は鉛筆の軸に対して少しだけ角度をつけるようにして、鉛筆の先が細くなるよう少々あらめに削り落としていきます。
3.鉛筆の芯が見えてきたら、徐々に削る場所を鉛筆の下にずらして回しながら削る
鉛筆の芯が見えてきたら、削る箇所を鉛筆の軸の下の方にずらして、ここも回しながら均等に削っていきます。
芯の部分と木の部分が1:1になるくらいに削り出します。
鉛筆の軸(木)の部分は、少し力を入れないとうまく削れないので、なるべく芯の部分はけずらずに、芯の部分は最後に削っていきます。
そうすると力を入れすぎて、芯が折れてしまった!ということが少なくなるので、最初のうちは木と芯の部分と分けて削って、徐々に芯の部分と木の部分を一緒に削るようにしてみてください。
鉛筆の芯がだいぶ出てきたら、カッターの刃は、鉛筆の軸に対して平行になるように、力を入れすぎず、木の部分を削っていた力よりも弱めに、慎重に削っていきます。
4.鉛筆の芯が出てきたら、カッターの刃を軸に対して垂直に立てて慎重に尖らせる
鉛筆の芯がきれいに尖ってきたら、あとは仕上げです!
鉛筆の軸に対して、カッターを垂直にして、ほぼ力は入れずにスーっとなでるようにして先端を尖らせます。
コツは、【力を入れすぎないこと】です。削ったあとに、
- 芯の先が丸くなってしまう
- 削った芯の長さが短い
と、デッサンで描きづらく感じてしまいます。なので、削った芯の長さはだいたい1cm以上は木の軸から出てると描きやすいですよ。
デッサン用鉛筆削りに鉛筆削り器を使うのはダメな理由
皆さん鉛筆を使用するときは、鉛筆削り器で削っていた人も多いので、始めてデッサンを描く人は、カッターで削ることに違和感を感じる方も多いかもしれません。
しかし美術の授業や、絵画教室で、デッサンで鉛筆削り器を使用するのがダメと言われている理由は、鉛筆削り器では、削ったあとの芯の長さが短くなってしまうためです。
通常の鉛筆削り器は、字を書く時に適した削り方の仕様になっているからなんですね。
デッサンには、上記で解説したように、鉛筆の芯の腹の部分で、広い面積を描画するのに使ったり、芯の先を針のように尖らせて細かい描写をするため、鉛筆削り器で削ったクオリティの鉛筆では、デッサンに対応できないからなんです。
デッサン専用の鉛筆削り器が発売されてる!使い心地は?
最近は、デッサン用の鉛筆削り器も発売されています。
どうしてもカッターで削っていると時間がかかって大変、という方、小さなお子さんや、時短して鉛筆を削りたい!という方は、こちらを使用してみるといいかもです。
カッターでの鉛筆削りの手間が省けて、制作に集中出来ると、評判も良い製品です。
美術学校の受験などでは、持ち込みがNGな場合もあるかもしれませんので、事前に持ち込みOKかよく確認するようにしてくださいね。
私も気になったので、購入して使ってみました。芯の削ったあとの太さを7段階で調節できるので、広い面積を塗りたい時、細かい描写を描きたい時に使い分けできてとても便利です。
鉛筆が8秒で削れるのは驚異的なスピードですよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
デッサン用にカッターでの鉛筆削りは、最初のうちはコツをつかむまで難しく感じるかもしれませんが、一度やり方のコツがわかってくると、一生使える技術になります。
カッターでスマートにキレッキレの尖った鉛筆を削れるようになったらカッコいいですよね。皆さんもぜひこの機会に、デッサン用の鉛筆削りをマスターしていってください!